藤原さん
長年お世話になってきました公武会を休会して2022年10月よりJICA在外所員としてミャンマーに駐在しております。同国最大都市ヤンゴンで生活を始めて3か月が経過しました(2023年1月現在)。ご承知の通り、ミャンマーはコロナ禍と2021年2月1日勃発の国軍クーデターにより、大変な苦難の只中にありますが、幸いにも週末にはヤンゴン市内の国際交流基金の施設で剣道ができる環境にあります。ミャンマー剣道は、ヤンゴンでビジネスを始められた出崎忠幸教士七段(警視庁特錬出身にして全日本選手権3位の経歴)が立ち上げられたもので、剣道のことを全く知らないミャンマー人に対し10年にわたり地道に指導に当たられ今日があります。
政情不安のミャンマー では将来ビジョンが描きづらく、若者は情熱を持って取り組むものに飢えている状況にあります。そんな中で剣道を通して何かに打ち込む喜びを実感してもらうことが大切ではないかと思い、剣道経験を有する日系駐在員とともに私も微力ながら出崎先生のサポートをさせていただくことにしました。出崎先生の親身の指導により若者たちは着実に実力につけてきています。また新たな入門者も増えています。ただ剣道が極めてマイナーなミャンマーでは、竹刀、剣道着、防具を手に入れることに不自由をきたすことから、沖田哲雄会長に相談し、公武会で不要になった防具類を譲っていただくことになりました。防具を身につければ、若者たちも一層剣道に熱中してくれるのではないかと、譲り受けた防具がミャンマーに届くのが待ち遠しいところです。
私のミャンマーでの任期は2022年10月~24年9月までの2年足らずの短い期間の予定ではありますが、JICA業務の合間に剣道を通してミャンマーの若者の育成と文化交流に少しでもお役に立てればと思っています。公武会の皆様からのミャンマー剣道の発展のために引き続きご支援を賜れれば幸いです。